新人俳優さんの台詞の指導の時、慣れないうちは、みんな一生懸命に
”台詞を正しく言おう”
と、必死になります。

何回も同じ台詞を言って練習して、
言葉につまったり、台詞を噛んでしまわないように、
長い台詞や、言いにくい言葉は、
その部分のフレーズを何回も繰り返して。。。。

そして、本番、つっかえずに台詞をスラスラと言えると、
本当にホッとして、
「よーし!今日は完璧失敗しなかったぞ」
と、胸を撫で下ろす。

が、しかし。。。
もしかして、その場は監督さんが優しくて、もしくは撮り直す時間が無くて、
”OK" をくれていたとしても。。。。
本来、俳優さんの場合、
間違えずに止まらずに、台詞を言う事が仕事ではありません。

決まった時間や勺のなかで、決まった内容の言葉数を言わなければならない、アナウンサーや
ナレーターと違い、
俳優の言う台詞(言葉)には、決まったスピードや決まった”間(ま)”があるわけでは有りません。
スピードや,”間” もそのひとの表現力のひとつ。

と、いうか、台詞を言えるのは当たり前の事で、
自分の役の台詞(言葉)をどう表現するか、どのように言うか?
と言う事が、必要なこと。

普段の素の自分から、少し離れて、
自分が演じる役の人に
意識を置き換える。
そして、その役を演じる自分に台詞(言葉)を言わせる。。。。


この、意識を役に人に置き換える時のプロセスの中に、
その俳優さんの個性やセンス、想像力が溶け込んでいきます。
時には迷ったり、役の人物像を作るのに苦しんだり、
でも、それが大切な俳優さんの演じるプロセスだと思います。
もちろん、歌を歌う時にも同じことがいえます。

それに、
これ、一般の我々の日常にも,共通して言える事があるとおもいませんか?
人それぞれ、感情も、感覚も、考え方や知識も、
好きな事,嫌いな事、得意な事、苦手な事、
いろいろです。
人との関わりの中で、
「なんで、そうなの?」
なんて事、多々あります。
思い通り、ずっとうまく行く
なんてことだって、実はそうありません。

だからね、ちょっと角度を変える。
立場を変える。
そんな癖、付けてみる。
そう、役を変えてみるんです。
立場を変える、とでも考えましょうか。
自分の都合だけではなく、相手の都合も少し見えるようになるかもです。

けして、相手の考えや趣味に同調しろ、と言うのではありません。
でも、「へー!そうなんだ。」と、少し視野が広がります。
自分は自分一人にしかなれない物だから、
こんな形で、自分以外の人の考え方や気持ちを知る事は、
けっこう、楽しいことですよ


あーっと、ゴメンなさい。
      今日もまたまた、長いコラムになってしまいましたニャン。。
      この子に免じて。。。
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